

「もう4月だ」「もう12月だ」
こう言っている間に、気づいたらオバサンになっていたらどうしよう。
そんな危機感を覚えながらも今日もスケジュールを追いかける。
こんにちは、編集部のもりゆかです。

時間の進み方って、年齢を重ねるごとに早まっている。
でも、時間の大切さは年齢を重ねるごとに大きくなっている。
今日は、現実から離れて”時間”を感じる場所。
高円寺のアール座読書館をご紹介します。
なにか特別な本を読むとき、とびきり忙しいとき、ちょっと疲れたときに行ってほしい。
ここに来ると、ほったらかしにされていた”自分の時間”を取り戻す事ができるのです。
アール座読書館にある、特別な「静寂」

高円寺のパル商店街から一歩入った所にあるアール座読書館。
「おしゃべりをしてはいけない」喫茶室です。
ここにあるのは、静寂。ちょろちょろと流れる水の音と小さな音楽だけが聴こえます。

入ると、アンティークの机や棚、たくさんの緑と水槽がお出向かえしてくれます。静かです。

おしゃべり禁止と言われても、分からない事は誰に聞けばいいの…と思う方。大丈夫です。
メニューの中に、このお店の事が全て解説されています。

ここで禁止されていること、楽しみ方…
こういう場合はどうしたらいいんだろう、という不安な事を全て先回りして解決してくれています。
さらに「注文の時はどうしたら…」と不安げに顔を上げると、すぐに気づいてくれるスタッフさん。
…優しい。無言なのに、なんて優しさを感じるの!そう思わずにはいられません。
押し付けないのに、確かにある。アール座読書館的”理想の過ごし方”
「あっ」と感覚がひらく飲み物

アール座読書館では、読書や瞑想のお供に飲み物を用意しています。
ただ、おすすめは「無い」。お客さんに選んでもらうというスタイルなのだそう。
これだけ聞くと、こだわりが無いのかしら、なんて思うのですがそんな事はこれっぽっちもありません。
味はあえて風味を少し強めに。
飲むときに「あっ」と感覚がひらくようなバランスに仕上げているそうです。
私はいつもチャイを頂いています。
ちなみに、アール座読書館は気持ちを落ち着ける場所なので、「気が上る」ものである食事は置かないそう。この空間に対する確固たる信念を感じます。
書物は、初めての方でも手に取りやすいもの

自分で本を持って行かずとも、ご安心を。
喫茶室内にある本棚には店主さんセレクトの本がぎゅっと詰まっています。

初めての方でも手に取りやすいビジュアル重視の本が多く、写真集や画集、読み物では詩集や短編集などが多いそう。

また、珍しい「手紙セット」の用意もあります。
普段のパソコンやスマホのコミュニケーションから離れ、あえて時間をかけた原始的なコミュニケーションとることが出来るのです。
この場所で書く手紙は、またいつもと違う言葉が紡がれそうですね。
追い詰められている人に、現実を忘れに来てほしい

世界観は確かにあるのに、押し付けがましくない。
絶妙なバランス…。
どんな方に利用してほしいのか、店主さんにお話を伺いました。(もちろんおしゃべりできないので、オープン前に…)
たった5分で良いから、手を止めてほしいんです。
読書館と名乗っていますが、実際に来ている方の中ではお勉強・お仕事・編み物をする方、ただぼんやりしている方もいらっしゃいます。
何か「この仕事をするぞ!」と思っていらっしゃっても、気づくと休憩している…。
そういう風にしていただけたら、こちらとしてはガッツポーズ。
嬉しいですね。
頭の中にあるものじゃなくて、今目の前にあるものに神経がいくような場所にしたいです。

おしゃべりをする・パソコンのタップ音が大きい…等はダメですが、足音などは全然気にしなくて良いんですよ。
私も初めて行った時は緊張しました。
でも、本当に大半の音は気になりません。
自分が普段、どれだけ耳障りなノイズに囲まれているのか気付きます。
店主渡辺さんのひとり時間は…

それこそ静寂を求めて喫茶店に行ったことも。
でも、当時求めていた「静寂のある喫茶店」ってなかなか無い。
だから自分で作ろうと思い、今お店を開いています。今も、9割の方がひとりでいらっしゃいますね。
ご自分の欲しかった空間を自ら作り出しているから、世界観や考え方が喫茶室の隅々に行き渡っているのかな、と感じました。
5分ってこれくらいの長さなんだ、と時間を一秒一秒感じるとき。
えっ!もう1時間経ってる、と時間を一瞬に思うとき。
その2つをこの場所では感じることができます。
まさに、自分の中のどこかの感覚が生きている。
ぜひ、疲れた時や追い詰められているとき。
このお店に来て現実と違う時間を過ごしてみてはいかがでしょう。
日々こんがらがって、すり減った自分の「本当」の感覚を取り戻せる場所です。
アール座読書館
東京都杉並区高円寺南3-57-6 2F
http://r-books.jugem.jp/