ひとりのお出かけ

線を追う『サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡』展

目で追う線と感じる動き。華やかな色彩が広がる空間です。 画家・彫刻家サイ トゥオンブリーの展示が品川の原美術館で開催中。

日本では初の個展

現在、原美術館で企画展示されている『サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡』展。
日本では、美術館規模の個展は初めてのこと。
その展示数は、1953年から2002年までの50年間にサイ トゥオンブリーが制作した約70点。

本展は、2003年にロシアのエルミタージュ美術館で開催され、英米独仏と巡回したものを原美術館の展示空間に合わせて再構築しているそうです。
その展覧会において、生前のサイ トゥオンブリー自らが選定に関わっていたそうです。

画家・彫刻家サイ トゥオンブリー(Cy Twombly, 1928-2011)  

20世紀を代表するアーティストの一人として知られています。
カンヴァスに鉛筆で描いたり、紙に絵具で描いたりと使用する材料の組合せが特徴的で、それ以外にも、クレヨンやチョーク、画材ではないペンキなどを用いているものもあります。
今回の企画展では、その中でも紙に描かれている作品を中心に展示されています。

アメリカ出身の彼は、活動場所をイタリアにも広げ、晩年は高松宮殿下記念世界文化賞(1996年)、
ヴェニス ビエンナーレ金獅子賞(2001年)、レジオンドヌール シュヴァリエ勲章(2010年)などを受賞し、世界的にも高い評価を受けています。

作品を感じる

出典:www.art-annual.jp/news-exhibition/news/48307/

サイ トゥオンブリー「Untitled(無題)」1961-63年 50×71cm 鉛筆、色鉛筆、ボールペン、紙 ©Cy Twombly Foundation

画材の組合せは斬新ながら、その作風は一貫しています。
一見すると、子供の落書きと見間違うほど線の流れが感情的で即興的。
そこにある力強さ、漏れ出す感情、スピード感に、いきいきとした生命力を感じるのです。

1960年代当時の美術界の流れに反して、サイ トゥオンブリーは「手で描く」という表現行為に全精力を傾けていたといいます。
その強い想いゆえなのか、どこまでも自由で、どこまでも伸びやかに続く腕の感触をありありと見ることもできます。
小手先で上手に描くということから解放され、心が叫ぶ音をぶつけた衝撃。

色彩が豊かな作品も多く、混濁する色味や共鳴しあう配色。
様々な色の共存も必見です。

出典:www.fashion-headline.com/article/img/2015/04/04/10300/118312.html

サイ トゥオンブリー「Proteus (プロテウス)」1984年 76×56.5cm アクリル絵具、色鉛筆、鉛筆、紙 ©Cy Twombly Foundation

出典:www.art-it.asia/u/HaraMuseum/IwYsetV0bMKHf9j8kuCr

サイ トゥオンブリー 「Bolsena (ボルセーナ)」 1969年
145.5×180.5 cm 鉛筆、色鉛筆、フェルトペン、紙
© Cy Twombly Foundation / Courtesy Cy Twombly Foundation

出典:www.art-it.asia/u/HaraMuseum/IwYsetV0bMKHf9j8kuCr

サイ トゥオンブリー 「Untitled (無題)」1970年
70.5×100.0 cm ワックスクレヨン、ペンキ、紙
© Cy Twombly Foundation / Courtesy Cy Twombly Foundation

彼の息遣いを、その目で確かめてみてください。

企画展情報

期間:~2015年8月30日(日)
会場:原美術館
住所:東京都品川区北品川4-7-25
時間:11:00~17:00(祝日を除く木曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで)
料金:一般1,100円 大高生700円 小中生500円

※展示会情報は、変更されている場合もあります。事前にご確認ください。