ひとりのおうち時間

恋愛だけじゃない。おすすめの韓国映画3選。

韓国には上質な映画がたくさんあります。その中でも今回ご紹介するのは有名な恋愛映画ではなく、背筋が凍てつく、サイコサスペンス。部屋を暗くしてご覧ください。実際にあった事件を題材にした映画も多く、後味が悪い結末にずーんと沈む作品もあるので、きちんと心の準備をしてから観てくださいね。

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韓流と聞くと、どうしてもベタな恋愛ドラマを想像してしまいませんか?
しかし、サスペンスやスリラーのジャンルにおける韓国映画をぜひ、ご覧いただきたい。
本当にクオリティが高くて驚きます。

画像の粗さや色調の暗さがジメッとした雰囲気を醸しだし、実にリアルに描かれます。
実際にあった事件を題材にした映画も多く、後味が悪い結末にずーんと沈む作品も。

今週末は、ホラーとは一味違う恐怖で背筋を寒くしてみてはいかがでしょうか?

チェイサー

出典:local

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2008年制作
監督:ナ・ホンジン
脚本:ナ・ホンジン
   イ・シンホ
出演:キム・ユンソク
   ハ・ジョンウほか
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あらすじ

元刑事ジュンホが経営するデリヘルで働く女性たちが相次いで失踪する。時を同じくして、連続猟奇殺人事件が勃発。ジュンホは、女たちが残した携帯電話から客の一人ヨンミンに辿り着く。捕まったヨンミンは、すぐに自分が殺したことを自供するが、証拠不十分で再び街へと放たれてしまう。警察が何もできずにいる中、ジュンホだけは、囚われた女性を救うため夜の街を走り続ける…。2人の運命が交差する時、衝撃のラストへと向かっていくー。

見どころ

2004年に韓国で実際にあった事件をもとに作られている本作。
ナ・ホンジン監督の長編デビュー作品ですが、とてもデビュー作とは思えない完成度と演出。
すぐさまハリウッドでのリメイクが決まったほど。
(しかし、ハリウッドよりオリジナル版を見ることをおすすめします。)

殺人犯を演じるハ・ジョンウの演技は必見。
女性を追いかける彼の姿や死体を前にする表情があまりにも普通でゾクっとします。
異常なことが起きているという話の流れの中で、彼だけが普通に笑っていることが狂気的で居心地の悪さを終始感じてしまうのです。
彼を追いかける元刑事ジュンホ役のキム・ユンソクも好演。
ジュンホだけが唯一、観客の気持ちを代弁してくれる存在です。
犯人が分かっているのに、どうすることもできない絶望が重くのしかかり、クライマックスに向かうにつれて、私たちの希望はあえなくつまれていってしまいます。
最初から最後まで、色んな意味で心を鷲掴みにされ続けます。
暗闇の中を殺人犯と元刑事が疾走する(チェイス)。
気持ちが弱っている時の鑑賞はおすすめしません。

殺人の追憶

出典:local

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2003年制作
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ
   シム・ソンボ
出演:ソン・ガンホ
   キム・サンギョン
   キム・レハ ほか

東京国際映画祭アジア映画賞受賞
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あらすじ

1986年10月23日、農村で若い女性の変死体が発見される。地元警察のパクは、地道な捜査で取り調べを始めるが、肝心の現場は大勢の見物人で荒らされ、なかなか証拠がつかめない。やがて、第二の事件が起きてしまう…。

見どころ

1986年ソウル近郊の農村で実際に起きた未解決事件を忠実に再現した本作。
未解決というだけで、何故だか犯人を身近に感じてしまう薄ら寒さがまとわりついてしまいます。

この作品において、時代背景はとても重要になってきます。
チョン・ドゥファンによる軍事政権下、反政府デモが起こり灯火管制のサイレンが響く中で、警察も民衆も混沌とし殺伐としていた時代。そこに起こる連続殺人事件。
証拠が見物人に荒らされてしまったり、デモの鎮圧に駆り出されて次なる殺人の兆候を見失ってしまったり。本当は、解決できたのかもしれない事件を複雑にしてしまったのは、時代であり世間だったのかもしれません。

そして、なんと言っても女性が襲われる描写が怖い。
サスペンスではなく、これはホラー映画なのかと思ってしまうほど。
生々しい静けさと息遣いに匂いさえかげそうなリアリティがあります。
実際の事件と同様未解決のまま終わりを迎えますが、ラストシーンに深い意味をくみ取らずにはいられません。
最後まで、しかとご覧ください。

オールドボーイ

出典:local

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2003年制作
監督・共同脚本: パク・チャヌク
原作: 土屋ガロン / 嶺岸信明
プロデューサー: キム・ドンジュ
脚本: ワン・ジョユン / イム・ジュンヒュン
出演:チェ・ミンシク
   ユ・ジテ ほか

2004年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞
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あらすじ

ごく平凡な生活を送っていたオ・デスは、ある日突然、何者かに拉致され、気が付くと小さな部屋に監禁されていた。理由も分からぬまま15年監禁され続け、またしても突然解放される。自分を監禁した者への復讐を誓うデスの前に現れた謎の男は、5日間で監禁の理由を解き明かせと命じるのだった…。

見どころ

原作は、日本の同名漫画。なかなかの後味の悪さですが、ストーリー構成が見事な作品で最後まで見逃せない展開が続きます。
15年間監禁された主人公オ・デスを演じるチェ・ミンシクの鬼気迫る演技は、かなりの見応えがあります。対して、監禁していた側のイ・ウジンを演じるユ・ジテの猟奇的に冷静な演技も素晴らしい。この相反する2人の温度差が物語に強弱をつくり、ラストに近づくにつれスピードを増幅させていきます。

この映画の主題は、「復讐」。
15年間監禁されたオ・デスが、解放されてから犯人を探し、復讐しようとする物語。
…さて、本当にそうなのでしょうか。
この話の面白いところは、復讐しているのは誰かということ。
劇中で語られるイ・ウジンの「何故、監禁されたかではなく、何故解放されたかを考えろ」という言葉に全ての答えが隠されています。
その意味を理解した時、私たちは全ての糸を辿り戦慄するのです。


韓国映画の魅力の一つは、役者陣の演技力の高さ。
表情ひとつ、動きひとつに私たち観衆は、息を飲む。

実際にその場にいるかのような臨場感にゾッとしながら、蒸し暑いこの季節にいやーな汗をかいてみてはいかがでしょう。

陽の傾きをゆっくり感じる休日。
あなたの週末にシネマを。

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