ひとりのおうち時間

R-15指定の心温まるストーリー。おすすめ映画『やわらかい手』

強くたくましく生きる、美しい女性の物語。2007年公開に公開されたサム・ガルバルスキ監督の「やわらかい手」。セックスショップの店員のストーリー、それだけ聞くのと中身をちゃんと観るのとでは訳が違う!やさしく、強い気持ちになれるおすすめ映画です。

自分のためだけに頑張るのは、限界がある。
まわりに流され続けていた方が楽です。
もちろん、それが悪いとは言えないし、思えないけれど
誰かのためなら、人はこんなにも強くなれるのだということを知ってほしい。

そこで、今回おすすめしたいのが映画『やわらかい手』。

いくつになっても、どんな場所でも人って輝けるようです。

『やわらかい手』 という作品

あらすじ

ロンドン郊外に暮らすごく普通の主婦マギーは、難病にかかった孫の治療費を用意する必要に迫られていた。そんな時、偶然にも街中にあるセックスショップの接客係募集の張り紙を見つけたマギーは面接を受け、なんと採用される。オーナーが彼女を採用したのにはある理由があるのだが…。

みどころ

その店の名は、“ラッキーホール” 

6週間以内に特別な手術をしないと命が危ないと診断された難病に苦しむ孫、しかし決して裕福ではない家庭にとって治療費を工面するのは非常に苦しい状況だった。そこで、孫を救うためにと平凡な中年主婦のマギーは、性風俗店で働くことを決意する。と、このあらすじだけ見ていると、とても重くて下品な映画なのかと別の興味で見てしまいそうですが…。しかし、その想像を全く覆す爽やかさと笑い、そして感動までしちゃう映画なのです。

彼女が働くことになった店の名は、“ラッキーホール”。そこでの仕事は、壁にあいた穴越しに男をイカせること。オーナーは、マギーの手のなめらかさに素質を感じ雇うことにするのですが、彼の読み通り彼女はまさにゴッド・ハンドの持ち主だったのです。あれよあれよというまに、彼女のブースは長蛇の列ができるほど人気になり、ついにはロンドンNo1に!
息子夫婦にも友達にもばれないように仕事を続けていた彼女にとって、このお店は秘密で恥ずべき場所のはずだった。しかし、同僚の女性にテクニックを教わったり、自分のことを褒めてくれるオーナーに少しずつ閉じていた心がとけていくマギー…。
もちろん、直接的な性の描写はありませんが、だんだんとこなれていくマギーの変化や満足して帰っていく男たちの表情など。ちょっとクスリと笑えるコメディ要素が含まれているのもこの作品の魅力。
彼女が置かれているのは厳しい現実ですが、ラッキーホールでの出来事がコミカルに描かれているため、観ているこちらもリラックスして楽しめます。

マギーの心の変化

この映画の最大のみどころは、マギーの心の変化です。平凡な主婦として自己主張することなく、周りの意見に流されて生きてきたマギー。
でも、愛する者のために手段を選ばす、風俗の世界に飛び込む事を決意したその瞬間こそがまさに彼女の運命を変える第一歩となりました。売れっ子になったマギーは、しだいに自信をつけ、自分というものを発見していきます。それは、誰かの心無い言葉に揺るぐことなく、堂々と立っていられる足を授けてくれ、自分に正直でいることの素晴らしさを教えてくれるのです。

自分のなすべきことを知った彼女のイキイキとした輝きに、私たちは思わずスタンディングオベーションを贈りたくなるのです。愛する家族のためなら自分のプライドをかなぐり捨て、強くある姿はすべて女性の心を掴んでやまないでしょう。
男とは、全く違う女のプライド。それは、世間体や他人に向けたパフォーマンスではなく、自分と愛するものに向けた意思。
ラストに彼女が手にするものに、さらに私たちは驚かされます。最後まで、マギーから目を離さないでくださいね。


「女は男より3歩下がって歩くべし。」と言われていた遥か昔から、本当に強いのは女だときっと男も女も分かっていたでしょう。出産に耐えうるだけの足腰をもった女は、やはりいざという時にふんばれるのです。そういうDNAなのです。

自分を見失い自信をなくしかけている人にぜひ見てほしい。あなたはあなたでいいのです。

人生の行く先に迷った時。
あなたの週末にシネマを。

入り口はコチラ。

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『やわらかい手』
2007年公開
監督: サム・ガルバルスキ
原案: フィリップ・ブラスバン
脚本: マーティン・ヘロン / フィリップ・ブラスバン
キャスト:マリアンヌ・フェイスフル
ミキ・マノイロヴィッチ
ケヴィン・ビショップ ほか

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