ひとりのお出かけ

【アール・デコ】 デザイン建築を間近で

白金台の『アール・デコの邸宅美術館』に足を踏み入れたい。

1925年、第1次世界大戦から約7年後に、博覧会をきっかけにフランスを発祥とし栄えたアール・デコ。
その美しさは、現代を生きる私たちが見ても目を見張るものがあります。
そんなアール・デコに魅入られた人々が、明治時代にもいました。
皇族であり、陸軍軍人であった朝香宮鳩彦王夫妻です。
そんな鳩彦王夫妻が建てた、現在に残る貴重な邸宅は、どういったものを私たちに見せてくれるのでしょうか。

『アール・デコの邸宅美術館』、白金台で開催中

フランスのアール・デコ様式を元にしたデザインに日本の視点を取り入れ、独特の調和と美しさを誇る朝香宮邸。
白金台に位置する東京都庭園美術館で9月23日まで行われている『アール・デコの邸宅美術館』は、その邸宅全てと日本のアール・デココレクターによって集められた作品たちを展示する2本立てとなっています。

フランス人芸術家アンリ・ラパンが主要な部屋の設計し、建築を担当した宮内省内匠寮の技師、権藤要吉も西洋の近代建築を熱心に研究し、朝香宮邸の設計に取り組みました。
実際の建築にあたっては、日本古来の高度な職人技が随所に発揮され、日仏のデザイナー、技師、職人によって作り上げられた芸術作品と言える建築物です。

正面玄関

出典:www.teien-art-museum.ne.jp

以前ご紹介したルネ・ラリック(記事はコチラ)よってデザインされた正面玄関ガラスレリーフ扉は朝香宮邸のために新たにデザインされました。
型押ガラス製法で作られている翼を広げる女性像は、一点ものであるということとその大きさを考えると、ラリックの作品の中でも貴重な作品といえるでしょう。

次室

出典:www.teien-art-museum.ne.jp

今回のポスターのロゴのテーマにもなっている次室に置かれた香水塔は、この邸宅の中でもとても特徴的と言えるでしょう。
「香水塔」はアンリ・ラパンが1932年にデザインしたもので、上部の照明部分に香水を施し、照明の熱で香りを漂わせたという「粋」を感じる芸術作品となっています。
また部屋そのものも非常に顕著にアール・デコの特徴があらわれているそうです。

白磁の「香水塔」、モザイクの床、黒漆の柱、朱色の人造石の壁、そしてガラス窓から広がる庭園の緑、これらが織り成す色彩のハーモニーは、大広間の落ち着いた色調とは対照的にアール・デコ特有の華やかな空間を形成しています。

引用: http://www.teien-art-museum.ne.jp/museum/index04.html

本展のポイントは、平日限定ではあるものの写真撮影が自由である事と、夜間も展示を行っている事。
太陽の光を受けた朝香宮邸ももちろん素敵ですが、せっかくですから夜に一層映える邸宅と照明とのコントラストを写真に収めに行きたいものです。

アンサンブリエによるコーディネート

「アンサンブリエ」とは、主要な部屋の内装デザインを行ったアンリ・ラパンの役職につけられた独特な呼び名です。
仕上がってきた装飾の全てをコーディネートする役割は、朝香宮邸という巨大な空間の指揮者のようだと言われました。

出典:www.teien-art-museum.ne.jp

現代の『アール・デコの邸宅美術館展』において、大食堂と小食堂の「アンサンブリエ」を務めたのは、太田はるのさん。
エルメスなどの有名ブランドの店舗やショーウィンドウのデザインを手がけて活躍中のアーティストです。
両親がともに画家であり、生活やその経験全てが作品に生きている太田さんは、クリエーションにおいて空間のストーリーを大切にしているそう。
ゲストに対する完璧なおもてなしのストーリーが存在しているという朝香宮邸の食堂をコーディネートする上で、以下のことに気を配ったとか。

調和が奏でられているほどエレガントなものはないはずなので、展示では、往年からのラグジュアリーな職人芸によって支えられているハイ・ブランドの製品だけを厳選しました。

引用: http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/150718-0923_artdeco_interview.html

事実、王室御用達となったサンルイ「トミー」のヴィンテージ品や日本を誇る大倉陶園に白磁皿を特注するなどそのこだわりが随所に伺えます。

出典:www.teien-art-museum.ne.jp

太田 はるのカレ・ブラン代表であり、デザイナー兼アーティスト。
多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、パリで学び、有名ブランドの店舗やショーウィンドウのデザイン、スペースデザインなどを手がける。

展示会情報

期間:2015年7月18日(土)~9月23日(水・祝)

場所:東京都庭園美術館(本館・新館)
〒108-0071  東京都港区白金台5-21-9
JR山手線「目黒駅」東口/東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩7分
都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」1番出口より徒歩6分

時間:10:00~18:00
※ただし毎週金曜日は夜間開館のため21:00まで
(入館は閉館の30分前まで。)

休館日:第2・第4水曜日
※ただし9月23日(水・祝)は開館

入場料:一般:800円 大学生:640円


※展示会情報は、変更されている場合もあります。事前にご確認ください。