ひとりのお出かけ

【東京都美術館】 光の画家『モネ展』 /東京・上野

クロード・モネのコレクション約90点を集めた「究極のモネ展」。

西洋美術において、しばしばドイツの表現主義(Expressionism)と対極であるとされてきたフランス発の印象派( Impressionism)という芸術運動をご存じですか。

その印象派という名前の由来となった作品『印象、日の出』の作者であるクロード・モネ。
彼ほど絵を描くことにおいて「光」にこだわった画家はいないでしょう。
幾日もかけて同じ時間・天候にこだわり、「光」を筆に乗せカンバスにうつし取り続け、完成させた作品の数々。
そのこだわりから「光の画家」と称され、西洋美術史に新たな風潮をもたらしたモネの貴重なコレクションが、上野の東京都美術館にやってきました。

【モネ展】東京都美術館で開催中

現在、東京都美術館で『マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで』が開催されています。

モネは珍しく生前に成功した画家であり、10代から晩年までの自身の作品を多く手元に残していました。そして、そのコレクションを受け継いだ息子の死後、作品はパリ・マルモッタン美術館へ。
同美術館は世界最大級のモネ作品を収蔵することとなりました。
今回は、そんなマルモッタン美術館に収蔵されたモネのコレクション約90点を展示。
うち約7割が、モネ自身が手掛けたものであり、その他にも自身が収集した作品や愛用の品が展示されています。

注目作品

数多くの作品の中で、代表的と言える注目作品をご紹介します。

「印象、日の出」

出典:www.ntv.co.jp/monet/works/index.html

冒頭でもご紹介した、印象派という名前の由来となった作品。
早朝のル・アーヴルの港に昇る太陽と、朝もやの中でその光で染められる空と海。
港の湿気を含んだ空気や昇り始めた太陽の光がありのままの印象で描かれています。
彼は、タイトルの改変が話題に上る中、最後までそのタイトルに「印象」という言葉を残すことを選び続けたようです。

睡蓮

出典:www.ntv.co.jp/monet/works/05.html

自宅の向かいの土地を購入し、作成した水の庭。
そこに浮かぶ花を近い視点から水面を捉えた1903年の《睡蓮》。
睡蓮の花や映り込む柳の形態が比較的はっきりと認められます。
この後、幾年にもわたって同タイトルの作品を描いており、モネは生涯で200点を超える睡蓮を描いたといわれています。

クロード・モネ

出典:www.ntv.co.jp/monet/highlight/

本名クロード=オスカール・モネ。
1840年にパリで出生。
15歳の頃、町中で評判になり絵画が売れるほどに才能を開花させた。
16歳でパリに移住、本格的に絵画学び始める。
その後、ルノワールらと展覧会を開催。
この展覧会で出展されたのが「印象、日の出」である。
しかし世間からの目は厳しく、40代での大成となる。
1926年86歳、逝去。

従来の形にとらわれないモネ

モネは、「オンプレネール (En plein air)」といって野外で絵の大部分を描き上げてしまうひとでした。
今でこそ外でスケッチしたり絵を描いたりする人は多く見られますが、当時はじっくり室内で描きあげるのが主流であったため、周囲は衝撃をうけたことでしょう。
また、ものを緻密に描き上げることに重点が置かれ、「筆の跡を残す=下手」といったように考えられていた当時からはあり得ないとされた、筆の跡を残し点描のように仕上げる描法をとっていました。

ロンドンがお気に入り

ロンドンがお気に入りの写生場所であったようで、何度も通っていたモネ。
もちろんロンドンにも画家はいたのですが、やはりどれも緻密に描かれ、はっきりとした街の作品ばかり。しかし、産業革命期で排煙や霧で視界が不良だったロンドンの街並みが、そんな風に見えるはずがないと、非常にぼんやりとした絵を描いたそうです。

私たちが普段目にしている色は、全て物体に光が反射して見えているものです。
その光を大切にしていたからこそ、先の逸話のような空気感や光の加減・変化までをもありのままに描くことにこだわり抜いていたのでしょう。

貴重な作品の来日であるこの機会に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

展覧会情報

期間:2015年9月19日(土)~12月13日(日)
《印象、日の出》東京展 9月19日(土)~10月18日(日)展示
《ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅》東京展 10月20日(火)~12月13日(日)展示
《テュイルリー公園》は東京展 展示なし

場所:東京都美術館
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
JR上野駅「公園口」より徒歩7分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅「7番出口」より徒歩10分
京成電鉄京成上野駅より徒歩10分

時間:9:30~17:30(金曜日、10月31日~11月2日は20:00まで)
※《印象、日の出》展示期間[9月19日~10月18日]の金曜日・土曜日、並びに9月20日~22日、10月11日は21:00まで
※入室は閉室30分前まで

休室日:月曜日、10月13日(火)、11月24日(火)
※10月12日(月)、11月2日(月)、11月23日(月)は開室
入場料:一般¥1,600 学生¥1,300


※展示会情報は、変更されている場合もあります。事前にご確認ください。