ヒマつぶしコラム

これだからクリエイティブって面白い!『WIRED CREATIVE HACK AWARD2015』

今年で3回目になる『WIRED CREATIVE HACK AWARD2015』。“既成概念”をハック(=壊す)するということから生まれる新しいクリエイティブを表彰するもの。さて、今回はどんな作品がエントリーされたのでしょうか?Me times編集部もこの『 WIRED CREATIVE HACK AWARD2015 』に参加させていただきました!

11月30日に行われた『WIRED CREATIVE HACK AWARD2015』授賞式。今回の応募作品は、国内外からなんと365作品。この中から最終選考に通過したのはわずか32作品。この日、その最終選考に残ったクリエイター達が一堂に会し、プレゼンを行い、各賞の受賞作が決定しました。
少し厳かな雰囲気が漂う中、Me times編集部もそのプレゼンと授賞式を拝見してきました。少しの発想転換や発見でこんなに面白いことができるのかと、日常に潜むクリエイティブという言葉の意味を考えさせられる時間でした!

WIRED CREATIVE HACK AWARD2015 とは?

今年のテーマは「既成概念をハックせよ」

既成概念を壊す(=ハックする)ことから生まれた「野心的なヴィジョン」と「国や地域にとらわれずに活動するためのビジネスマインド」を特に重視する、次世代クリエイターのためのアワードです。 言い換えると、クリエイティブに携わる多くの人々に対し、「この先、クリエイターに求められる資質とは何か」、「今後、クリエイターが担うべき領域とは何か」といった点に関して改めて考えるきっかけを与えることが、このアワードの開催意義でもあります。

参照元:http://hack.wired.jp/ja/outline/

Me times編集部が気になった作品をご紹介!

32作品どれも、本当に個性的。 CREATIVE HACK AWARDにおけるクリエイティブとは、この世の全てを対象にしているというほどに幅広い。編集部のような一般人からすると少し難しいメカニズムのものからとても身近なアートまで。今回は、誠に勝手ながら編集部の気になった作品をいくつかピックアップして紹介いたします。

1.「般若心経読経装置」倉持 叡子さん

木魚を叩くと目の前のディスプレイに般若心経が一文字ずつ表示されていく作品。

プレゼンで登場した倉持さんは、作品名から想像してたイメージとは違って小柄で可愛らしい女性。さらにプレゼン開始直後に、予想だにしない読経。その意外さから、会場はシーン…。でも、私はかなり瞑想したい気分になりました。そんななか始まったプレゼンは般若心経と同じく、心地良いリズムで語られベストプレゼン賞を受賞しました。

彼女の作品は、木魚を叩くと画面に般若心経の文字が1文字づつ映し出されるというもの。従来の読経のネガティブなイメージを覆したかったという倉持さん、文字は楷書体ではなくあえて草書体を使うなど細やかな演出も。動画は学校のお祭りで展示した時のものだそうです。こちらを見てもらえれば分かりますが、子供から大人まで意気揚々と叩いてますね、木魚。
これがクリエイティブ力。誰かのアイデアが誰かの意識や行動を変える、素敵発想です。私たちも日常生活の中で上司にキーっとなった時は、この木魚を無心で叩きたいものです。「観自在菩薩行~…」それで心穏やかになるのであるなら、これぞ現代の信仰というものですね…。

2.「 fl/rame」こやま ともえさん

スマートフォンの上に置かれたろうそくのゆらぎに応じて、ディスプレイ画面の輝きが変化していくという作品。

こやまさんの作品は、スマートフォンの上にろうそくを置き、火をつけると炎の動きに追従してディスプレイに映し出された映像が変色、発色し始めるというもの。コチラは、動画を見ていただいた方が分かりやすいのでぜひ見てみてください。

呼吸や人が動くことで起こる炎の揺らぎをスマホがさらにキャッチし、いつまでも揺らぎの連鎖が続いていくという様はまさに、癒し。Me timesでも炎の揺らぎに関する記事を書いていますが、 炎の『1/fゆらぎ』(規則正しさと不規則さがちょうどよいバランスで調和したパターンのこと)。これが癒し要因なんですよね。疲れた時は、こやまさんの作品の中で体育座りしていたいものです。考えただけで、癒されそう…。

3.「a Piece of」池田 昂平さん

自分の手相と同じ形をしている地形を世界地図から探してくれる作品。

池田さんの作品は、簡単に言うと掌のしわを読み取って、コンピュータがその形に類似した世界地図上の土地を投影してくれるというもの。まだ大学生の池田さん、地形や地図が好きなのかなと思いきや、実際に話してみると体を構造の方に興味があるのだとか!掌のしわ発信のクリエイティブなんですね。
「誰でも一つはどこかの地形にあてはまるんですか?」と聞くと「そうなるように今調整中です」とのこと。ぜひ、お願いしたい。自分のカラダの一部が世界に繋がる奇跡。ちょっぴり孤独を感じた時、この装置に手を入れたいものです。

さらに、次回作は指の指紋をレコードに見立ててその人独自の音楽を流せるようにする装置だそうです!こちらもかなり楽しみ!ちなみに、今回の作品は学校の専攻とは全く関係ない個人的な趣味だそう、すごい…!

4.「宮沢賢治のこころの柔らかいところに触れる-「銀河鉄道の夜」の装幀」 金丸 みのりさん

2つの異なる結末の「銀河鉄道の夜」を1冊に閉じ込めた作品。

ご存知ですか?実に4回も改稿されている「銀河鉄道の夜」。3稿目と最終稿では、主題すら変わっていること、しかし変更前の原稿もそれとわかる形で遺してしまっていること。そこに疑問を感じた金丸さんは、宮沢賢治が捨てきれなかった“影”のような第3稿を左頁に、最終稿を右頁に展開し1冊の本の中に閉じ込めたのです。
この作品は特別賞を受賞しています。

金丸さん曰く、「宮沢賢治のことを調べるごとに辛くなっていった」そうです。その気持ちが反映されているかのように、左側の影のページは黒字で印字はせず、一字一字をインクの切れたボールペンで掘っているんだそうです!実際に手に取って見せてもらいましたが、とてもきれいにびっしりと文字が並んでいる。感情が入っていないような色の無い文字列に、強烈な感情が漂っていました。デジタルではない本だから感じることができる世界なのでしょう。
私も通勤中などにいつも本を読んでいますが、作者の気持ちを汲むことはあまりありません。それは、正直言って小説の中ではタブーのようなものだからです。でも、金丸さんの気持ちをここまで揺さぶった宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」読みたくなりました。もちろん、3稿と最終稿を。
みなさんも、ぜひお暇な時間に読んでみてはいかがでしょう?

5.「I see stars」佐々木 大輔さん・前田 麦さん

目から花火が出るメガネの作品。

一般投票で選ばれた作品に贈られるパブリック賞を受賞した本作。
彼らのアイデアは非常にシンプル。
どこかふざけているようで、大真面目。“子どもの頃のような爆発的な楽しさを”というコンセプトの通り、子ども時代の思いつきを、大人になって本当に実現してみました、という作品です。

プレゼン時もメガネをかけて登壇。最後に、両手に持ったライターが着火…。ファンシーでファンキーなメガネに点火するのかしら…と皆がハラハラしましたが、そのまま静かに消火。会場がひとつになった瞬間でした。

シンプルに「面白そう」と伝わるもの、ワクワクさせるもの、言葉にするのは簡単ですが、そんな「人の心を揺さぶる」爆発力を感じる作品でした。

6.「Gen」安藤 健翔さん

大量の何かを操る面白さをゲームにした作品。ユーザーのプレイに合わせて一つのアート作品が生まれていく。

「Gen」は、飛び回る大量のパーティクル(粒子)を指先で直に触れて自在に操り、敵を倒していくゲーム。動画を見ていただくと分かりますが、小さな粒のようなものを大量に自分の指先に集めて敵にぶつける瞬間がたまらなく爽快です。さらに、このゲームではゲームが進行していくうちにそのプレイヤーの動きの傾向から徐々にアートが生成されていくのです。つまり、自分のプレイスタイルが独自のアートを生むんですね。

しかし、こんなに自由度の高いゲームはやりがいがありそうです。一目見た瞬間からやってみたい!欲がムクムクと。これは、たぶん何もない休日に布団の中で一日やっていられるゲームになるでしょう。パジャマのまま、お菓子を食べながらずっと「Gen」。腕が疲れたら一回寝る、そして「Gen」。この流れ、安易に想像できるし最高だなと思ってしまう編集部でした…。

「好き」と「なぜ」の延長に…

総勢32作品のプレゼンは、どれも刺激的で新発見に満ちた時間でした。作品を作っている人たちが、必ずしもその分野に特化している人ではないということも驚きです。自分の好きな絵を描いて応募した高校生や学校の専攻とは関係ない作品を作った大学生、職探し中の女性など。仕事や学業の傍らやっているという人も。
ただ好きなことを掘り返し、新しい表現はないかと模索し制作していく。自分の気になることを、ひたすらに考えて既成概念を壊していく。

…はて、それでは私やあなたにもできるはず。
仕事終わりに家でゴロゴロしてるだけですか?
予定のない休日はTVを見ているだけですか?
その一瞬でも、自分の好きなことを考える時間にしてみませんか。
まずは考えるだけでいいと思うのです。
その時間は、きっと趣味の時間。
ひとり時間にやりたい趣味がないとお悩みのみなさま。
クリエイティブって難しくはない、好きなことを考えるだけ、その先に行動があれば尚良し、という感じです、きっと。
まずは、好きなことを夢想してみましょう。

その他の受賞作品はコチラで紹介しています。

今回素敵なプレゼンを見せていただいたクリエイターの方々
編集部に声をかけてくださった CREATIVE HACK AWARD2015を運営されている方々
本当にありがとうございました!